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また、路上で
また一人、知り合いのライダーがバイクから降りることになりました。
やっぱり、家庭人とライダーの両立って難しいみたいですね。

ぽろぽろと身の回りのライダーがいなくなって、日常生活においては、とうとうバイクに乗っているのは私独りだけになってしまいました。
知り合いから根こそぎライダーが消えるのも、もう時間の問題なのかもしれません。

単なる趣味の人もいれば、人生のスタイルになっている人もいるだろうし、利便性だけで選んでいる人もいると思います。
人それぞれで、自分が納得できればそれで十分なのですが、それでも同じライダーとして一時でも時間を共有していたことを考えていると、一抹の寂しさを感じてしまいます。

けれども、私自身はずっと今のままだと思っています。
何年たっても今のまま。
肉体的にだめになるまでは、バイクにまたがっていたいと思っています。
たとえ、それが年に数日のことであっても、ライダーであり続けたい。

何人ものライダーを見送ってきて、彼らの背中にかける言葉はいつも決まっています。


私はいつまでも走りつづけています。
気が向いたら、また戻ってきて下さい。
いつか、また、路上で会いましょう。

物は言いよう
先日、散髪屋に行った時のこと。

私は結構な曲毛でお世辞にも綺麗とはいい難い髪質をしています。
そのためか、よく「セットが大変じゃないですか」と理髪師の方に言われます。
身支度にはてんで気を回さないものだから、もうキューティクルのキュの字もないのでしょうが、確かに寝癖が付いたらシャワーでも浴びて、しっかりと水分を与えない限りは直りません。
やはり、髪の毛も私の一部。妙に強情なところは同じです。

今回はいつもと違う散髪屋に行ってみました。
自宅の隣が散髪屋で今までそこに行っていたのですが、そこから数分も歩かないところにも別の散髪屋があるので(うちの近所はやたらと散髪屋がある)、たまには気分を変えてみるつもりで、その店に行ったのです。

椅子に座り、髪を漉いてもらっていると、理髪師の方がふと口を開きました。

「前にパーマでもあてていたのですか?」

当然、答えはNo。元々こういう髪質なのです。

「そうですか。いい感じでパーマをあてた感じで、いい髪ですね。」


へ?!


こ、この髪を誉めるか?
今まで聞いたこともない言葉に驚いてしまいました。


「なかなか、珍しいですよねぇ。」


うーむ。
誉めるほどのものはないだろう。


私は考え込んでしまいました。


冷静に考えてみると。
絶対に、よくない髪質なんです。
”いやぁ、凄い曲毛ですね。これじゃぁ手入れ大変でしょう。”
と言ってもいいぐらいのもんなんです。

でも、きっと、理髪師のお兄さんは気遣ったんでしょうね。
まさに物は言いようで、嘘は言わず、真実も言わず。
実に上手い表現で、感心してしまいました。

物の言い方一つで、黒いものも白くなる。
言の葉の不思議さに触れた思いでした。

どんな商売でもお金を頂く以上は、客商売です。
であるのなら、言葉の使い一つにも気を回さなければいかんなぁ、とあらためて思いました。

いや、いい勉強になった。


蛇の王 ナーガ・ラージ
蛇の王―ナーガ・ラージ蛇の王―ナーガ・ラージ
(2005/03)
東郷 隆

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なかなかに珍しい19世紀のインドを舞台にしたお話です。
”蛇の王”というのは「タグ」と呼ばれる殺人集団のとある首領の尊称で、彼の半生が物語りの主軸になってます。

「タグ」というのはどういう集団かといいますと、「この世にいなくてもいい人間を殺して、悪い魂を解放する、善行を行う集団」というのが彼らタグの定義です。
つまり、彼らにとっては殺人はとは悪なる魂の解放であり、決して悪いことではないのです。
世の中には殺すべき人間というのがいて、そういう人間を放置しておく方が悪行である。
殺人によって魂を再び輪廻転生の輪の中へ還すことこそ、神の意に適うものだ、と考えているのです。

今の日本人の倫理観ではとうてい受け入れずらい論理なのですが、これが読み進めていくうちに徐々に腑に落ちてくるから不思議なのです。

当時のインドは、イギリスによる搾取が始まり各地で植民地化が進み出した時代です。
インドにやってきたら彼らはキリスト教的正義心をもとにタグの殲滅に乗り出します。
曰く、邪悪な殺人集団を放逐し文化的更正をインドの大地に与える、というお題目をもとに彼らはタグを次々と検挙していきます。

一見、このイギリス人たちの行動は理にも情にも適っているように見えるのですが、実際には、イギリスは己が利権のためのみインドの富を貪り、彼の地にはアヘンと暴力しか与えていません。
それに大して、タグは殺人という不条理な行為を続けるものの、イギリス人に対して反抗を企て、インドの地を守ろうとします。

一体、悪とは何を指すのだろうか?
相矛盾する二つの存在の前で、読者ははたと立ち止まってしまうことでしょう。
価値観も文化的背景も全く違う二つの視点から、浮かび上がる個々の正義と悪。
これがこの作品の面白いところです。

東郷さんというと、割とコミカルで笑える作品が多いのですが、今回は非常に骨太で読み応えのある作品になっています。
難解で粘りのあるインド的世界をさらりと日本人にも理解しやすい世界に再構築している筆致はさすがです。

今までインドってあまりイメージがつかめなかったのですが、この作品を読んで少し理解できる部分がありました。
近いようで遠いアジアの友人。
インドを知らない人にこそ楽しめる作品なのかもしれません。

凹んだ
今日は仕事でミスを連発。
それもしょぼいチョンボばかりを。
もー、テンションは下がりまくりの絶不調で久しぶりにみた悪夢でした。

もし、これが後輩や部下であれば回し蹴を喰らわしても足りないような凡ミスの連続で、四方八方に迷惑をかけてしまい、おかげでかなり凹んでほんと泣いちゃいそうでした。

でも、まぁ、ふてくされる訳にもいかず、縮まりこむ訳にもいかず、とりあえずやるべきことをやって、謝るところは謝り、説明すべきことは説明して、どうにかこうにか今日のところは片をつけたわけですが、いやぁ、明日も大変なんだろうな。


とにかく、今日は反省の弁しか出てこない。

はぁ。

ま、今はできる限りのことをするしかないな。
そうして、今まで生きてきたのだから。

ちょっとだけ今日よりもマシな明日にしなくては。

お蕎麦
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山形にいる知人からお蕎麦のセットが届きました。
お蕎麦以外にも色々と詰め合わせになっていたのですが、中に生麺タイプのものがあったので、湯がいてさっそくにお昼ご飯に頂きました。
こういう生麺のお蕎麦を家で頂くことは殆どないので、どんな出来になるのか興味津々だったのですが、さすがは麺所東北のお蕎麦。
素人が適当に湯がいても実にもちもちと腰のある、美味しいお蕎麦になりました。

あまり何も考えずに湯がいたもんだから、4人前も作ってしまったのですが、つるっと喉越しもよく通るので全く問題なく完食。
いやー、非常に満足できるお蕎麦でございました。
関西にいるとあまりいいお蕎麦に出会えないので、信州あたりまで食べに行くしかないのですけど、これならわざわざ遠出しなくてもいいなぁと思っちゃいましたよ。

もちろん、本場でプロに出してもらった方が数段美味しいに決まっているのですけど、それでも家庭でそこそこの味が楽しめるというのはありがたいもんです。
行きたくても、時間や地理的な制約を受けてなかなか本場に足を運べないという人は少なからずいますからね。
便利な世の中になったもんです。

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お蕎麦のともに月山酒造さんの純米吟醸「月山の雪」を頂きました。
これもセットになってます。小憎いセットじゃないですかぁ。
蕎麦をすすりながら、冷やでくいくいやるとまた美味い。
酒米はいわずと知れた「出羽燦燦」。ほのかな甘さとフルーティーな香り、そして適度に存在感のある酸味が爽やか。
お蕎麦とよく合いますが、和食ならなんでも合いそうな透明感のあるお酒です。

美味い蕎麦に、美味い酒。
束の間の休日。

ありがたや、ありがたや。
次はどの麺を頂こうかな。
楽しみだ♪